
JEAN COAT CUSTIMIZED GIBIER DEER
- rei
- 5月25日
- 読了時間: 2分
更新日:5月29日
メンズ服の始まりは常にツールだった。
機能を追い求める先にある機能的な美しさ、無駄がなく着飾られた服とは違う、そんな男心くすぐられる服、
この形のベースは1950年代の火消しコート(今で言う消防隊)のユニフォームをベースにしている。
十分な耐久性を保持するために刺し子(現代でいう柔道着のような生地)を施された生地で、現代のように耐火性の強い生地が出来るまではそのような生地ののユニフォームを上下身に纏い全身に水を被って火消しをされていたという歴史がある。
ファスナーが現代の様に普及していない頃は密閉性を高めるためにフロントは生地幅がしっかり取られるディティール。
ダブルで取られたボタンとそのディティールには和の様な雰囲気に世界大戦後の洋風文化も入り混じったような趣が感じられる。

その様な背景をieribらしく再構築したコートは機能と情緒的な美が入り混じる一着にしたく生まれた。
袖のつけかたは背面のみラグラン、可動域を上げてカチッとした印象よりも、より日常に溶け込む様に仕上げた。

脇下にはマチを取り腕の可動域をあげ、袖にたっぷり取ったリブは手を洗う時などにすぐ捲れるように。

機能的な部分もだが、素材は北海道の蝦夷鹿、体長が大きく通常の鹿よりも生地幅がたっぷり取れることでコートにも出来、繊維質がスポンジ状の為、柔らかく軽いのが特徴。
家畜化されない鹿の為、野生化では様々な傷が付くが、そんな傷はあえて生きた証、唯一無二のデザインへと昇華させるためそのまま使用し、革の魅力を最大限引き出すために敢えてムラの出る染めを施すことで各パーツに変化と遊びを加えた。

通常のジーンコートよりも着丈は20cmほど短くカジュアルにし、どんな場所でも様になる、装いや着る場面を選ばないコートに。


まずは袖に手を通して、鹿特有のトロッとした柔らかさとそのディティールを体感してほしい。
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